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女澤 徹也; 宮川 和也; 笹本 広; 曽我 弘一*
JAEA-Technology 2016-003, 25 Pages, 2016/05
日本原子力研究開発機構は、北海道幌延町において、深地層の研究施設を活用した地層科学研究および地層処分研究開発を行っている。幌延地域のような、低透水性の堆積岩および多量の溶存ガスを含有する地下水という特徴的な地下環境においては、原位置の地下水の地球化学データを得ることが難しく、データを取得するための観測技術の開発・改良が課題となっている。このような課題に対する取り組みは、地下施設の建設や埋め戻しに伴う水圧・水質変化を継続的に観測し、信頼性の高いデータを取得する観点からも重要である。幌延深地層研究センターでは、これまでに地下施設内の140m調査坑道において、地下水の地球化学モニタリング装置の開発が行われた。その後、地下施設の建設が周辺地質環境に与える影響を調査するための技術開発の一環として、350m調査坑道における試験坑道掘削に伴う周辺岩盤中の地下水の水圧・水質変化の観測を目的とし、モニタリング装置の改良・開発が行われた。本報では、350m調査坑道における地下水の地球化学モニタリング装置の改良・開発の内容と、開発した装置を用いたデータ取得例について報告する。